デンマークブログ - Life in Denmark

日系企業の駐在員としてデンマーク赴任後、現地企業に転職。北欧、ヨーロッパでの日常の出来事や仕事に関する話題を発信していきます。

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どうやって乗り切る?海外生活のカルチャーショック!

いざつかんだ海外駐在、待ちに待った憧れの海外生活。色々な思いをもち、胸に期待を膨らませ海外にやって来たけれど、やはりそこは海外、日本とは違うことがたくさんあるわけです。

期待していたこと、想像していたことと違う、といってがっかりやするだけならまだいいですが、日々のストレスが重なり早々に帰国する羽目に。。。なんてことも起こりかねないのが海外生活です。

ここでは海外で生活を始めた時に、必ずと言っていいほど経験するカルチャーショックの4つのフェーズを紹介するとともに、憧れの海外生活を少しでも長く、充実したものにしていくためにはどうすればいいか、僕自身の経験を交えて書いていこうと思います。ここに書いていることを予め知っているだけでその後の生活、気持ちの持ちようが全然違ってくるので、ぜひ最後まで読んでいってください。

 

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海外に住むということ

ここまで読んだ方の中にはもしかして、海外には旅行や出張でよく行っているし、海外の友人や同僚ともよくやり取りしているから、そんな自分は大丈夫、関係のない話だ、とか思っていませんか?

しかしこれだけは断じて言えます。旅行や出張で経験する海外と、住んでみて経験する海外は全く違うんです。

海外に住むということ、生活基盤、生活拠点をその国に移すということですね。ということは何も大きな目立ったイベントだけでなく、そこで発生する日々の小さな出来事、日本との違いに日々直面し、それを長い間にわたって経験し続けるということなんです。

海外生活において最も弊害となるのが、言葉と文化というのがありますね。皆さん聞いたこともあるでしょうし、頭ではわかっていると思います。でもこの2つから波及する日々の出来事というのが、言ってしまえば無限に発生するんです。スーパーでレジが遅い、買いたいものがなかなか見つからない、頼んだ荷物が届かない、クレームをいっても受け付けてもらえなかった。。。また健康面で病院のお世話になることもあるでしょうし、なかなか思ったとおりに伝えられない。。。などなど、日本で暮らしていればなんとも思わなかったことが、海外での生活においてショックや戸惑いを受けることが本当にたくさんあるんですね。

更に僕のように駐在員で家族を連れて行った場合などは、家族の人数分だけこういったことが毎日のように起きるわけです。それを慣れない土地での仕事をこなすとともに、家族のケアもしなければいけないという、非常に重大な任務を負うことになります。特に家族がいる場合は一つでも歯車が狂うとおかしくなってしまうんで注意が必要なんですね。

 

知っていますか?カルチャーカーブ

僕も実はデンマークに赴任するまでこのカーブのことは知りませんでした。会社が外部講師を招いて開催してくれたデンマーク文化に関する講義で知ることになったんです。今となっては最初にこういった導入教育をやってくれた会社に感謝ですね。

このカルチャーカーブ、いろいろな呼び方があり、他にもカルチャーショックカーブ、や形をそのまま名前にしたUカーブ、また帰国後のことまで含めたWカーブ、なんていいかたもあります。時期の長短や程度に個人差はありますが、ほとんどの人はグラフにある4つのフェーズを経験するといわれており、それは自分、自分の周りの日本人にもまったくもって当てはまっていました。

(ちなみにこの曲線は海外生活だけでなく、一般的に何か人生の中で大きな変化が訪れた時に経験するといわれており、後に会社のマネジメント研修で会社の組織変更が起こった際なんかにも経験すると習いました)

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カルチャーカーブ、4つのフェーズ

ネムーン期

まさに言葉通り。見るもの聞くもの触れるものすべてが新しく、写真をとりまくり毎日が楽しく刺激的。海外生活サイコー。表面的な部分しか見えて(経験できて)いない時期です。

 

カルチャーショック期

ただそんな楽しい時期も日々のいろいろな出来事、見えてなかった部分が見えるようになってきて、モチベーションは下降曲線をたどります。抱いていた期待や興奮が失望、落胆へと変わる時期です。不安やとまどいから始まり、我慢することでいらつきや怒りに代わっていきます。

 

転換、変換期

悩んでいた、わからなかったことが分かるようになり、徐々に自分の中で新しい文化、新しい国で暮らしていく方法を見つけ出す時期です。悩んでいたことよりもうまくいくことが多くなり、徐々に不安が自信へと変わっていきます。

 

適応、成長期

文化の違いを理解し、その違いを受け入れ、更にはどうすれば自分も相手も快適に過ごせるかという立場を見出していく時期です。視野が広くなり、行動範囲や本当の意味での異文化適応が始まる時期です。

 

 

どうすればいい?カルチャーショックを乗り越えるコツ

ここまで色々とかいてきましたが、ではどうやって乗り切ればいいのでしょうか?ここからは僕の経験を踏まえていくつか対処方法を述べたいと思います。

 

避けることはできないと知る

僕の個人的な考えですが、いくらどんなに強靭な精神力を持つ人でも、新しい国にきて不平不満なく最初から最後まで順風満帆に過ごすことができる人はおそらくいないのではと思います。日本に住んでいても色々ある中で、ましてや海外、それは色んな予期せぬことが起きますし、分からないこともたくさん出てくるんです。なので自分は関係ない、とは思わずに、こういうことになるんだな、4つのフェーズがあるんだな、とまずは認識する(知らないことを知る)ことが大事だと思います。

 

受け入れる

特に下降曲線に入り始めた際、時期、場合によっては何をやってもうまくいかないときがあるかもしれません。そんなときでも決して自分を責めることはせず(僕は、くっそー!!なんでうまくいかんのやーと怒っていた時期もありましたが笑)、育ちも環境も違うんだから、全部意見が合うはずはないよね、と受け入れることです。なんじゃそれ!と思われる方もいるかもしれませんが、文化も言葉も違うんだから、違って当たり前、なんです。なので、無理に状況を変えようとか、分かってもらえない相手に対して腹を立てるのではなく、ある程度『しゃーないか』と流すことが必要です。

そしてそう思っているのは自分だけじゃなく、日本以外の国から来た人もみんな経験している、と思うことで気持ちが楽になれるんじゃないでしょうか。

 

何らかの形で自分の想いを吐き出す

とはいってもなかなか全部は自分では処理しきれないですよね。そういった場合におすすめなのは、どういうことに直面していて自分は思っているか、などを自分の外に出してみることで発散してみましょう。具体的には、日記などに書き出してみる、(駐在員であれば)上司や仲間に聞いてもらう、家族と共有するなどがありますね。

僕の場合は最初の数カ月は1人暮らし、また赴任先の居住地域には駐在員は僕1人ということもあり、帰宅後は家で独り言をめっちゃくちゃ言っていました(笑)

また当時日本に住む奥さんに愚痴やら悩みを聞いてもらっていました。ありがたかったですね。

 

自分なりのくつろぎを見つける

これも僕がやった(現在も継続中)ことですが、自分なりにリラックスできる方法、ストレスを緩和できる方法を見つけることです。僕の場合は、家族に休日に森に出かけて、森の中をゆっくりと時間をかけて散歩をすることがとてもリラックスできることを発見し今も続けています。他には、家庭菜園で野菜を育てることも非常にストレスを和らげてくれています。

このように、自分なりのストレス発散方法や、居心地のいい場所を見つけたまに息抜きしてあげることも大変重要だと思います。

 

これだけはやっちゃだめ!

批判を繰り返す

いくら吐き出すといっても、批判ばかり続けるのはよくありません。ここでの批判というのは面と向かって、ダメなものはダメ、違うものは違う、というのではなく、内輪の日本人、仲間内だけで批判し続けるだけ批判し、何も行動を起こさないことです。これでは状況はよくなるどころか、ネガティブ感情が根付いてしまって、大好きだった国、あこがれていた海外生活が大嫌いに、なんてことにもなりかねませんので、十分注意しましょう。

ちなみに、僕の近くにも当てはまる人がいましたが、残念ながら新しい環境になじめず期限を切り上げて帰国する羽目になってしまっていました。残念な話ですね。

 

ひたすら我慢する

一方で言いたいことは言えず、また吐き出すこともせずに我慢一方というのは精神的にもよくありません。ある程度の我慢、というか飲み込むことは必要ですがひたすら自分だけで抱え込んで時が過ぎるのを待つという方法はお勧めできません。自分の中で我慢してるなぁ、という風に思ったならば、誰かに相談に乗ってもらうなり、あまりにも耐えがたい状況でストレスを感じるようであれば、気分転換に一時帰国を検討してみるのもありでしょう。日本を離れたとはいえ、日本のことを全て絶って生活する必要は全くありません。日本の好きなところ、よいところをどんどん取り入れて融合していくのが海外で長くやっていくことのコツだと思います。

 

まとめ

今回は海外生活を始めた際に経験するカルチャーショックをカルチャーカーブの4つのフェーズを紹介し、いざ自分の身に起こった場合はどうすればよいか、僕自身の経験を交えて紹介しました。

上で述べたように、あらかじめこういった波がやってくるなというのを知っているのと知らないのとでは全く違うと思います。是非これを読んでいただいた皆さんには、いざ自分に振りかかってきたときには、『あ、これのことだな』、と気持ちに余裕を持って認識し、たまに吐き出すことを忘れず、自分なりのほっとできる居場所をみつけ、海外生活を楽しく充実したものにしていってほしいと思います。

本日も読んでいただきありがとうございました。

 

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