どうやったらなれる?海外駐在になるための前提条件
以前のブログで、海外駐在になるには自分から声を上げて掴みにいくんだ、という趣旨のことを書きました。ただちょっと待って!その前に海外駐在になるための前提条件のようなものがあります。
そこで今回のブログでは、どういったことが駐在員の条件になるか、というのを簡単にまとめたいと思います。
海外駐在員の立場って
初めに海外外駐在員というものはどういうものか、どういう立場なのか簡単に整理したいと思います。
会社の『代表』として
まず挙げられるのは駐在で海外に行くということは、『会社の代表』として派遣されるということです。ここでいう『会社の代表』とは、現地社長や支店長という意味ではなく(もちろんそういう人もいますが)その会社においてある部門、分野のエキスパートとして派遣されるということです。そしてそのエキスパート達の多くは現地の人たちをリードしていく立場を期待されて派遣されることになります。
別の視点でいうと、例えば日本本社からの役員の方々の現地訪問の際の対応や、日本からのお客さんが現地工場や製品を見るために訪れることもあるでしょう。場合によっては政府関係者や皇族の方々(僕は対応させていただいたことがあります!!)の訪問など、そういった時の対応を求められることも大いにあります。
日本を離れて仕事をするということ
次に駐在員を送る会社側の視点で考えてみましょう。どういった人を派遣する必要があるのでしょうか。
日本の本社、本店もしくは日本にある主な拠点を離れて仕事をするということは、当然派遣先からの日本側への定期的な報告が必要になってきます。つまり駐在員は自分の専門分野、担当分野だけでなくより幅広い分野を把握し、理解して、それらをまとめて日本側へ報告する必要があります。最終的に報告する人は支店長などの上の方かもしれませんが、その人へのインプットという意味では一人一人の派遣者に求められることになります。
更には現地の支店の経営に関わる事項や、重要な決定事項に触れることもあるでしょう。また立場や役職によっては非常に大きな金額を扱うようなことも求められることになります。
そういった意味で会社としては自立して自主的に考えて行動できる人、更には守秘義務やコンプライアンスの観点から信頼、信用のできる人材をおのずと選ぶことになります。
海外駐在員の前提条件とは
さて、以上を踏まえどういった人が前提条件になるのでしょうか。
まずは、ある分野で人をリードしていける人、もしくはある程度一人で課題を解決して物事を進めていける人ということが挙げられると思います。新卒で入社したならば少なくとも5年程度は必要になるでしょうか。つまり入社後製品やその分野のことを学びそろそろ後輩も1人、2人と入ってきて、まだまだ新しいことを学びながらも、徐々に指導していく立場に変わってきている、そんな感じでしょうか。
また国内の案件で実績を残していることも重要な要素になると考えます。前回のブログでも書きましたが、海外に行くとまず言葉の壁がありその上で仕事を進めていく必要があります。逆を返すと、国内の案件でもいまいちこれといった結果やアピールできる成果を残していない人は駐在員として選ばれるのは厳しいと言えるでしょう。
僕は製造業の技術系でしたが、身の周りや自分のネットワークを見てみても、やはり30代中盤というのが多く、若くても30代前半、本当に若くてぎりぎり20代後半の人がいたくらいですね。商社などでは20代もあるでしょうが、それでも20代後半にならないとチャンスが回ってこない、むしろバッターボックスにも立たせてもらえない、ということになると思います。
入社前の学生のみなさんへ
よく面接の際に、留学していたので駐在を希望します、といきなり希望を言う人がいます。僕は言うこと自体は悪くないと思いますし、個人的には海外に出て働きたい若者にはどんどんチャンスを与えてほしい(自分ならば与えてあげたい)と思います。
ただ、上記のことを踏まえると入社後いきなり、もしくはいきなりとは言わないまでも、数年で駐在のチャンスが巡ってくることは、まずないと思った方がいいです。なぜならば、海外駐在員を派遣するというのは会社には膨大な費用がかかります。会社もボランティアや単なる教育のために人を海外に派遣しているわけではなく、当然成果を上げて、会社に利益をもたらしてくれる人を送るのは当然だからです。なので、まずは配属された部署で頑張って仕事を早く覚え、チャンスが巡ってくるのを虎視眈々と狙う、というのがいいと思います。
一方で海外出張などは若い時からでもいくらでもチャンスはあると思うので、そこはどんどんアピールして、積極的に連れていってもらうのがいいでしょう。
正直語学力はどうなの?
最後に語学力についてはどうでしょう。僕の周りを含めた経験でいうと、あるに越したことはないでしょう。なくても何とかなる、という人もいるし自分もこれに当てはまるうちの一人でしたが、自分の経験から言うと赴任後、ある程度の苦労は覚悟した方がいいでしょう。ただ、日本に居ながらにして仕事をしつつ、外国人と英語で対等に話せるほどの英語力をつける、というのは並大抵の努力ではできないとも思います。
実際僕も海外は出張や旅行で訪れた程度でなんとか話せる、という程度で赴任しました。英語は苦手じゃないし嫌いじゃない、でも帰国子女でも何でもないのでペラペラ話せません、という感じでした。ただ赴任後は苦労しました。そして悔しくて英語を勉強して上達しました。なのでそんな人でも大丈夫です。またこの話は後日別途記載したいと思います。
まとめ
今回は海外駐在になるための前提条件、と題して僕なりの視点でまとめました。残念ながら一発逆転や飛び級などの裏ワザはなく、まずはある分野のエキスパートになるべくがむしゃらに頑張ることだと思います。一方で前回書いたように、そんな中でも声を上げ続けることは依然としてめちゃめちゃ重要だと思っています。要は与えられた仕事をしっかりこなして結果を出しつつ、同時に声を上げてアピールする、というのが一番の近道だと思います。一方で海外出張はいくらでもチャンスはあると思うので積極的にアピールしてチャンスをつかんでいってほしいと思います。(アピール大事!!)
これを読んだ方で一人でも多くの人が海外で働くという夢に向かって進んでいけることを願っています。
本日も読んでいただきありがとうございました。